がんの種類

神経膠腫【がんに効く食品サプリメント】


1.神経膠腫(しんけいこうしゅ)とは

神経膠腫(グリオーマ)とは、脳に発生する悪性腫瘍で、原発性脳腫瘍の約30%を占めます。腫瘍を構成する細胞の形態から、星細胞腫(せいさいぼうしゅ:最も悪性である膠芽腫を含めると原発性脳腫瘍の22%程度を占めます)、乏突起膠腫(ぼうとっきこうしゅ:原発性脳腫瘍の約1.3%)、上衣腫(じょういしゅ:約1.1%)、脈絡乳頭腫(みゃくらくにゅうとうしゅ:約0.4%)、髄芽腫(ずいがしゅ:約1.2%)などに分類されます。一般に、この腫瘍は周囲の脳にしみ込むように拡がっていき(浸潤:しんじゅん)、正常脳との境界が不鮮明で、手術で全部摘出することは困難です。そのため、通常は再発を予防する目的で手術後の放射線療法や化学療法などが必要となります。

国内における脳腫瘍(転移性脳腫瘍を除く)の発生頻度は、人口10万人に対し12人程度とされ、欧米とほぼ同じであるといわれています。神経膠腫はそのうちのおおよそ30%を占め、最も多い腫瘍です。神経膠腫の中で最も多いのは星細胞腫で、その悪性度によって大きく4段階(グレード1〜4)に分けられます。最も悪性度の低いグレード1は、小児の小脳に発生する星細胞腫で、この腫瘍だけはあまり周囲の脳に浸潤しないので、手術のみで治癒することが期待できます。グレード2以上は手術だけでは再発することが多く、手術後に放射線療法や抗がん剤による化学療法が行われます。特にグレード4は、脳腫瘍の中でも最も悪性度の高い腫瘍のひとつで、膠芽腫(こうがしゅ)と呼ばれています。膠芽腫は、現在なお治療が困難な疾患であり、手術だけでは大半が数ヶ月以内に再発するため、術後の放射線療法や化学療法は必須です。


2.症状

1)頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)

脳腫瘍の症状として頭痛・吐き気・嘔吐がよくあげられますが、これは頭蓋骨の内部の圧が高くなることによっておこる症状(頭蓋内圧亢進症状)です。脳は頭蓋骨という硬い入れ物に囲まれているため、脳腫瘍によってこの入れ物の中の容積が増え、内圧が上昇した結果、これらの症状がおこります。特に悪性腫瘍においては、大きくなる速度が速く、しかも腫瘍の周囲に広範な脳のむくみを伴うため、急激に圧が上昇します。最も多い症状は頭痛で、腫瘍の部位に一致して痛くなることも少なくありません。腫瘍のできる部位によっては、腫瘍が小さくても脳の中にある特殊な水(脳脊髄液)の流れが障害されて、脳室といわれる所に水がたまってしまい、水頭症を引きおこします。この場合も、容積が一定の頭蓋骨の中に水がたまってくるので頭蓋内圧が高くなります。頭蓋内の圧が極度に高くなると、大脳と小脳の間にあるテントという膜の隙間や、脳と脊髄を連絡する大後頭孔に向かって脳の一部が陥入する脳ヘルニアがおこり、突然意識がなくなったり、呼吸が停止するなどの重篤な状態を引きおこします。


2)局所症状

脳腫瘍のもうひとつの症状は、腫瘍ができている部分の脳の働きが障害されることによっておこる症状です。脳は部位によって働きがはっきり分れているため、腫瘍のできた部位によって出現する症状が異なります。例えば、前頭葉と頭頂葉を分ける中心溝という溝のすぐ前は運動野と呼ばれ、運動神経細胞が中央から側方に向かって足、手、顔の順に並んでいます。この領域の障害により強い運動麻痺が出現します。中心溝のすぐ後ろが感覚野であり、感覚神経が同様に足、手、顔の順に並んでいます。

また、優位半球(多くは左大脳半球)の前頭葉の側方および側頭葉の後上方には言語中枢があり、それぞれ障害を受けると、相手の話は理解できるが自分ではしゃべれない運動性失語と、相手の話も理解できなくなる感覚性失語をきたします。後頭葉は視神経の中枢であり、一側の後頭葉の障害は、その反対側の半盲(左右ともに右半分あるいは左半分の視野が欠ける状態)をおこします。その他、腫瘍の発生部位により、左右を間違える、計算ができなくなる、読み書きができなくなる、記憶が悪くなるなどさまざまな症状が出現するため、その症状から逆に腫瘍の部位を推察することができます。

小脳は運動のバランスをとる部分であるため、小脳腫瘍ではまっすぐに歩けないなどの歩行障害や手足のふるえが出現します。また、脳脊髄液の通路に近いため、その通過障害により水頭症も出現します。脳幹は脳のすべての神経が集まり脊髄に移行する部分であるため、小さな病変でも四肢が麻痺します。また、大脳の病変では反対側の片麻痺などをおこしますが、脳幹部では顔面や目の動きの麻痺と手足の麻痺が反対側になります。


3.診断

CT、MRIによってほとんどの脳腫瘍の診断は可能です。専門医が診れば、腫瘍の部位だけでなく、多くはその腫瘍の種類まで診断可能になります。CTはX線を用い、MRIは磁気を利用して断層写真をつくるものですが、情報量はMRIのほうが多く、人体に対する影響も少ないとされています。しかし、強力な磁気を用いるため、ペースメーカーを使用している場合や、過去の手術で体内に金属を埋め込んである場合などは検査ができないこともあります。

手術を行う際には、腫瘍と脳の血管との関係をみたり、腫瘍にどの程度血管が入っているかなどを調べる目的で脳血管撮影が行われます。足のつけ根の動脈から細い管を挿入し、頸動脈や椎骨動脈まで進めて造影剤を注入してレントゲン撮影を行います。より簡便な方法として、頸動脈に直接針を刺して造影剤を注入することもあります。また、最近ではMRIやCTを用いて脳血管を映し出す方法もとられています。


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国立がんセンターがん対策情報センターより一部転載
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