がんの種類

網膜芽細胞腫【がんに効く食品サプリメント】


1.網膜芽細胞腫とは

網膜芽細胞腫は網膜から発生する悪性腫瘍で乳幼児に多い病気です。眼球をカメラに例えると網膜はフィルムに相当する部分です。瞳孔から入った光がレンズの働きをする水晶体で屈折されて網膜に映し出されます。水晶体と網膜との空間は硝子体と呼ばれる粘ちょうで透明な卵の白味のような物質で満たされています。

網膜芽細胞腫の発症頻度は15,000人の出生につき1人の割合で、性別、人種、地域による違いはありません。現在、わが国では毎年約80人が発症しています。両眼に生じる場合と片眼だけの場合とがあり、その比率は両眼1に対し片眼2.6です。この腫瘍は13番染色体長腕の13q14という部位にあるがん抑制遺伝子であるRB1遺伝子の異常によって発生することがわかっています。


2.遺伝・遺伝子
身体の1つの細胞には23対の染色体があり、同じ遺伝子が2個あります。もともと身体の細胞に遺伝子の異常がなく、網膜の一部の細胞だけで一対のRB1遺伝子の両方が働かなくなり、その結果、腫瘍が発生することがあります。この場合は必ず片眼性であり、遺伝性はありません。

一方、親の精子か卵子にRB1遺伝子の異常があると、これから発生した胎児の身体のすべての細胞はRB1遺伝子の一方に異常を持つことになります。この状態でも細胞は正常に働きますが、網膜が作られる過程で、他方のRB1遺伝子に異常が生じると、網膜芽細胞腫が発生すると考えられています。両眼性の症例すべてと、片眼性の症例の10〜15%がこの状態とされています。RB1遺伝子は細胞分裂に重要な働きを持つため、将来骨肉腫など別の種類の悪性腫瘍の発生頻度が高いので注意が必要です。

すでに網膜芽細胞腫の子(患児)がいる場合、次に生まれる子や患児の子に網膜芽細胞腫が発生する確率は、以下のように計算されています。家系に1人しか網膜芽細胞腫の患者がいない場合、両眼性の場合はその患児の子には49%、その患児の弟や妹には3%の確率で発生し、片眼性の場合はその患児の子には5%、その患児の弟や妹には2%の確率で発生します。

遺伝子解析技術の進歩により、血液検査で遺伝子異常を検出できるようになってきました。しかしながら、現在の技術では60〜80%しか発見できません。着床前診断、羊水検査などの技術もありますが、網膜芽細胞腫は現在の倫理指針では対象になりません。遺伝子検査の目的、限界を十分理解していただくために、遺伝相談外来などでカウンセリングも行われています。


3.症状
主な症状としては、眼球の中で白い腫瘍が大きくなり、瞳を通して白く光って見える、白色瞳孔と呼ばれるものがあります。次いで、斜視(2つの眼球の向きが合っていない場合)、まぶたのはれ(進行例で眼球外に腫瘍が波及した場合)などがあります。このような症状に気づいて眼科を受診する年齢の平均は、両眼性で生後11ヵ月、片眼性で27ヵ月です。95%が5歳までに診断されます。

13番染色体に大きな異常があると、精神発達が遅くなる場合があり、耳・指などの異常を伴うことがあります。


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国立がんセンターがん対策情報センターより一部転載
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