がんの種類

ぶどう膜悪性黒色腫【がんに効く食品サプリメント】


1.ぶどう膜悪性黒色腫とは

ぶどう膜とは、虹彩と毛様体、脈絡膜の総称のことです。色は茶色で、眼球を構成する強膜と網膜の間にあります。ぶどう膜に属する組織には、それぞれ役割があり、虹彩は眼球へ入る光を調節し、毛様体は焦点を合わせ、血管に富んだ脈絡膜は網膜に栄養を提供したり眼球の温度を一定にするといった働きをします。

ぶどう膜悪性黒色腫とは、このぶどう膜内に多く含むメラニン細胞が、がん化したものを指します。皮膚や粘膜に発生する腫瘍より、若干ですが悪性度が低いといわれています。

日本での年間発症率は、1,000万人に対して2.5人。性別や地域による差はさほどなく、年齢が高くなるにつれて発症率も上がる傾向があり、小児からの発生はほとんどありません。世界的に見れば白人の発生頻度は高く、1,000万人あたり43人ほどで、日本のおよそ17倍の発症が報告されています。これは、ぶどう膜黒色腫を発症させる危険因子のひとつが紫外線であるため、虹彩の色素が薄い白人の目に紫外線量が多く入るため、と説明されています。なお、赤道に近くなるほど、日差しが強い地域ほど発症頻度は高くなります。


2.症状

虹彩悪性黒色腫では、虹彩の黒いしみ状の腫瘤(しゅりゅう)として、また瞳孔の変形で見つかることが多く、緑内障を併発して発見される場合もあります。

毛様体悪性黒色腫は、水晶体を圧迫して白内障を生じたり、水晶体の位置がずれたりして視力低下を自覚して受診することが大部分です。

脈絡膜悪性黒色腫は、腫瘍の位置、大きさにより症状は異なりますが、視力低下が最も多く、次いで視野異常(見えない部分がある、上半分が見えないなど)があります。その他、変視症(ゆがんで見える)、飛蚊症(ひぶんしょう:目の前に蚊が飛んでいるような感じ)などの症状もあります。また、他の症状で眼科を受診して、眼底検査を受けたため腫瘍が偶然発見される場合もかなりあります。進行して腫瘍が大きくなると、緑内障を生じて目の痛みや充血(視力低下を伴う)などの症状が出現します。


3.診断
ぶどう膜悪性黒色腫の診断は、眼科的な検査である細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査や眼底検査が基本となります。補助的な画像検査として、超音波検査、MRI検査があります。病理学的検査をするには、眼球を摘出する以外は技術的に難しいため、臨床診断に基づいて治療法が決定されます。

虹彩悪性黒色腫では細隙灯顕微鏡で観察すると、虹彩表面から盛り上がった黒いかたまりとして見えます。高周波数の超音波検査で、虹彩腫瘍の大きさを測定し、増大傾向がある場合には悪性黒色腫を強く疑います。また、検査をすると虹彩嚢胞という虹彩毛様体によくある良性の水疱の場合があります。

毛様体悪性黒色腫では、水晶体を圧迫している腫瘍が虹彩と水晶体とのすき間から見えます。超音波検査やMRI検査などの画像診断でその存在と広がりを確認し、増大傾向がある場合は悪性黒色腫を強く疑います。

脈絡膜悪性黒色腫では、眼底検査を行うと、網膜の下に黒褐色で半球状の腫瘍が見えます。腫瘍に活動性があると、腫瘍からの滲出液が網膜の裏にたまる網膜剥離を生じます。また、螢光眼底造影検査では、腫瘍の部分で注入した造影剤の点状の漏れや、貯留が確認されます。小さい腫瘤では特徴的所見がなく、確定診断が困難です。北米で行われた大規模な研究でも、腫瘍の厚みが3mm以下の場合は診断が確実にできないため、経過観察を推奨しています。経過観察で腫瘍の増大、網膜剥離の出現などを確認した場合、臨床的に悪性黒色腫と診断します。このような臨床診断に基づき、結果的に眼球摘出を行った場合の診断一致率は99.5%と非常に高く、臨床診断に基づく治療が妥当と判断されます。


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国立がんセンターがん対策情報センターより一部転載
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