がんの種類

膀胱がん【がんに効く食品サプリメント】


1.膀胱がんとは

膀胱は骨盤内にある臓器で、腎臓でつくられた尿が腎盂、尿管を経由して運ばれた後に、一時的に貯留する一種の袋の役割を持っています。膀胱がたまった尿で伸展されると、それを尿意として感じ、筋肉が収縮することによって排尿して、膀胱より尿を出しきるといった働きがあります。膀胱の表面は移行上皮という名前の上皮でおおわれ、伸縮性に富むことが特徴的です。膀胱がんは、この移行上皮ががん化することによって引きおこされ、組織学的には移行上皮がんが全体の90%を占めています。


膀胱がんの統計
尿路がん(腎盂、尿管、膀胱)の中で、膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。罹患(りかん)数でも膀胱がんが最も多く、尿路がん全体の約半数を占めます。

年齢別にみた膀胱がんの罹患率は、男女とも60歳以降で増加し、40歳未満の若年では低いです。また、男性のほうが女性より膀胱がん罹患率が高く、女性の約4倍です。

罹患率の国際比較では、膀胱がんは欧米白人で高く、日本人を含む東アジア系民族では、本国在住者、アメリカ移民ともに低い傾向があります。

膀胱がんの原因
膀胱がんの確立されたリスク要因は喫煙であり、男性の50%以上、女性の約30%の膀胱がんは、喫煙のために発生するとの試算があります。また、職業性曝露(ばくろ)による、ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルも確立したリスク要因とされています。発展途上国では、ビルハルツ住血吸虫症がリスク要因である可能性が高いとされています。その他、リスク要因の候補として、フェナセチン含有鎮痛剤、シクロフォスファミド、コーヒー、塩素消毒した飲料水が挙げられていますが、疫学研究では一致した結果は得られていません。

膀胱がんのタイプ
膀胱がんは、大きく分けて3つのタイプがあります。

 1.肉眼的に、ちょうどカリフラワーか、いそぎんちゃくのように表面がぶつぶつとなっているかたちをしたがん(乳頭がんともいいます)で、膀胱の内腔に向かって突出しています。しかし、がんの病巣は、膀胱の粘膜にとどまっていることが多く(表在性がん)、転移や浸潤(しんじゅん:がんが周囲に拡がること)をしないものです。
 2.1.のタイプのがんと異なり、がんの表面は比較的スムーズ(非乳頭がん)で、こぶのように盛り上がったものから、膀胱粘膜下に進展して粘膜がむくんで見えるものまでさまざまです。このがんは、膀胱を貫いて、壁外の組織へ浸潤しやすく、また転移しやすい特徴があります。
 3.膀胱の表面には、ほとんど隆起した病変を生じませんが、膀胱粘膜壁に沿って悪性度の高いがん細胞が存在している状態(上皮内がん)です。初期のがんではありますが、無治療でいると浸潤性のがんになっていきます。

これらのがんでは、それぞれ性格がかなり違っているために、どのタイプであるかによって治療法が異なってきます。また、膀胱がんは膀胱内に多発する傾向があるばかりか、尿の流れの上流である尿管や腎盂にも同様の病変が存在している場合がありますので注意が必要です。


2.症状

1)肉眼的血尿
膀胱がんの初発症状として、最も多く認められる症状です。膀胱炎と違って、痛みは伴わないことが一般的です。数日経過すると突然血尿が止まってしまう場合がありますが、心配ないということは決してありません。しかし、血尿があるからといって、必ずしも膀胱がんをはじめとする尿路系のがんがあるとも限りません。

2)排尿痛
ときに、膀胱がんの初発症状が排尿時痛や下腹部の痛みで出現する場合があります。この症状は膀胱炎と非常に類似していますが、抗生剤を服用してもなかなか治らないことが特徴です。

3)背部痛
初発症状になることはまれですが、膀胱がんが拡がり尿管口を閉塞することによって、腎臓がつくり出した尿が膀胱まで流れず、尿管、腎盂が拡張してくることがあります。これを水腎症と呼んでいますが、水腎症になると背中の鈍痛を感じることがあります。


3.診断

膀胱がんは、膀胱鏡を行うことによってほとんどが診断できます。尿にがん細胞が落ちているかを調べる尿細胞診も有効な検査です。しかし、小さな乳頭状のがんでは、尿細胞診ではっきりがん細胞と断定できないことがあります。ひとたび膀胱がんが見つかった場合には、他のがんと同様に、CTや胸部X線撮影、腹部のエコーなどでその拡がりと転移の有無を調べる必要があります。しかし、乳頭状のがんは転移したり局所で浸潤するようなことはまれですので、必ずしも全身の転移の検索は必要ではありません。また、膀胱にがんが見つかった場合、同じ移行上皮でおおわれている腎盂・尿管にも同様のがんが見つかる場合がありますので、腎盂・尿管の病変の有無をチェックする排泄性腎盂造影検査を行う必要があります。がんの確定的な診断には、腰椎麻酔下に膀胱粘膜生検が必要です。


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国立がんセンターがん対策情報センターより一部転載
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